事業所税について

事業所税とは?

事業所税は、都市環境の整備や改善のための費用を賄うため、一定規模以上の事業所などに課される地方税で、その使途は道路、都市高速鉄道、駐車場等交通施設、上下水道等の都市環境の整備及び改善に関する事業に要する費用に充てることとされています。

課税対象は人口30万人以上の都市(指定都市、中核市など)又は特例により指定された人口20万人以上の都市になります。

対象となる事業所は、下記2点を満たしたものになります。

〇床面積による判定

  1. 1,000㎡を超える事業所

〇従業員数による判定

  1. 従業員数100人を超える事業所

税額の計算方法

事業所税は以下の2つの課税標準で計算します:

〇資産割

事業用の建物や土地といった固定資産の規模に応じて課税されるものです。

課税標準は事業所床面積(1㎡あたり)で、税率は600円/㎡です。

〇従業者割

事業所に勤務する従業員数に応じて課税されます。

課税標準は従業員給与総額で、税率は0.25%(0.0025)になります。

計算例

具体的な計算例をみてみましょう。

・資産割の計算例

事業所床面積 2,000㎡の場合

2,000㎡ × 600円 = 1,200,000円

・従業者割の計算例

年間給与総額 5億円の場合

500,000,000円 × 0.25% = 1,250,000円

合計税額  1,200,000円 + 1,250,000円 = 2,450,000円

免税及び軽減措置

なお、事業所税には一定の規模以下の事業所は免税になります。下記になります。

床面積 :1,000㎡以下の事業所は非課税

従業員数:100人以下の事業所は非課税

申告期限は法人税と同じく、事業年度終了後2ヶ月以内になります。

また、下記の要件を満たすと軽減措置が受けられます。

・資本金1億円以下の法人や従業員数1,000人以下の個人

・倉庫業、農林水産業、その他自治体で定める業種

注意点

事業所税を整理するうえで、実務上よくある質問として下記があげられます。

〇みなし共同事業

  1. 同一建物内の関連事業所は合算して判定

〇事務所の範囲

  1. 駐車場や倉庫なども含む
  2. 住居部分は除外

〇従業員の範囲

  1. パート・アルバイトも含む(日数で按分)
  2. 派遣社員は除外

終わりに

事業所税についてみていきました。簡潔にまとめると、

  1. 大都市での事業に特有の税金
  2. 面積と従業員給与で課税
  3. 一定規模以下は非課税

というポイントに注意してください