NISAとiDeCoの比較について
今回はNISAとiDeCoの制度比較についてみていきます。
NISAについて
NISAは、少額投資非課税制度の略称で、個人投資家の資産形成を支援するために導入された税制優遇制度です。
税金上のメリット:
- 投資額年間120万円まで非課税
- 株式や投資信託などの金融商品の譲渡益や配当が非課税
- 通常であれば20.315%の税金がかかる利益が非課税となる
- 最長5年間、非課税枠を活用できる
制度の適用を受ける方法は下記の通りです。
- 証券会社や金融機関でのNISA口座開設
- マイナンバーカードや本人確認書類が必要
- オンラインや店頭で簡単に開設可能
- 年齢制限なし(未成年者も利用可能)
- 非課税投資の流れ
- NISA口座を開設
- 指定の金融商品を購入
- 120万円の非課税枠内で投資
- 売却益や配当が非課税
注意点として
- 非課税期間は5年間
- 年間120万円が投資可能上限
- 他の口座との損益通算不可
上記の点が挙げられます。
この制度は、若い世代や投資初心者の資産形成を後押しする重要な税制優遇制度です。 Copy
iDeCoについて
iDeCoは、個人型確定拠出年金制度の略称で、主に老後の資産形成を支援する年金制度です。
税金上のメリット:
- 掛け金の所得控除
- 掛け金が全額所得控除の対象
- 課税対象所得が減少し、所得税と住民税が軽減
- 年間の拠出限度額は、職種や年齢によって異なる
- 運用益の非課税
- 投資信託や株式などの運用益が非課税
- 通常は20.315%の税金がかかる利益が非課税
- 運用期間中の譲渡益や配当が非課税
制度の適用を受ける方法は下記の通りです。
- 加入対象者
- 20歳以上60歳未満の会社員、公務員、自営業者
- 一部の専業主婦や学生も加入可能
- 口座開設の手順
- 金融機関や運営管理機関でiDeCo口座を開設
- マイナンバーカードや本人確認書類が必要
- オンラインや店頭で手続き可能
- 拠出と運用
- 毎月の掛け金を自動で積み立て
- 投資信託や預貯金など、自分で運用商品を選択
- 年齢や将来の受け取り方に応じて運用方法を調整
注意点:
- 原則60歳まで引き出し不可
- 早期引き出しには大きな税金や手数料がかかる
- 拠出限度額は職種や年齢で異なる
この制度は、長期的な資産形成と老後の生活保障を目的とした、税制面で優遇された年金制度です。
両者の違いについて
iDeCoとNISAは、日本の個人投資家向けの税制優遇制度ですが、いくつかの重要な違いがあります。
iDeCoは主に退職後の資産形成に焦点を当てた私的年金制度で、60歳までは原則として引き出すことができません。主に個人型確定拠出年金として、掛け金が所得控除の対象となり、運用益も非課税となります。職種や年齢によって毎月の拠出限度額が異なり、主に長期的な資産形成を目的としています。
一方、NISAは、少額投資非課税制度で、より一般的な投資家向けの制度です。年間120万円まで、最長5年間、株式や投資信託などの金融商品の利益が非課税となります。若い世代や短中期の資産形成を想定しており、iDeCoよりも柔軟性が高く、引き出しの制限が緩いのが特徴です。
両制度とも、日本の個人投資家の資産形成を支援する重要な税制優遇制度として設計されています。
具体的な投資戦略としてはまず、iDeCoで安定的な老後資金の基盤を作り、余裕資金でNISAを活用し、より積極的な資産形成を行う。という順序がいいでしょうか。
個人の状況(年齢、収入、リスク許容度)によって最適な順序は変わりますが、一般的にはiDeCoから始めることをお勧めします。
おわりに
最終的には、どちらも並行するのがおすすめになりますが、簡単に下記のように理解するとよいでしょう。
短期・中期の資金形成 → NISAを優先
老後資金の確保&節税重視 → iDeCoを優先