【電子帳簿保存法⑧】

こんにちは。
税理士法人MIGHTY-THRUST佐賀オフィスです。
今回で電子帳簿保存法については最終回となります。
本日は個人事業主の方々に知っておいて頂きたい内容をご紹介します。

11. 個人事業主の方々が確認すべきこと
電子帳簿保存法は個人事業主の方々も対象となりますので、以下のことを検討・確認しておきましょう。

①電子取引があるかどうかの確認
まずは、自分の事業が電子取引を行っているかを確認し、行っている場合は、国税関連の文書を適切な電子的形式で保存する必要があります。
保存方法の要件を確認し、適切なシステムやソフトウェアを導入することが必要です。

②データの保存場所を決定する
データの保管については、迅速にアクセスし、検索や印刷が可能な状態で整理しておくことが必要です。
クラウドサービスやパソコンのハードディスクなど、適切な保管場所を定めることが必要となります。
さらに、故障などによるデータの喪失を防ぐために、主な保管場所とは別にデータのバックアップを取ることが推奨されます。

③ペーパーレスの運用を検討する
電子帳簿保存法に従って運用する場合、書類を紙で管理することができなくなります。
紙と電子の両方のデータを同時に管理することは、保存形式が異なるためやや複雑で困難なため、将来的に電子データによる保存を一本化するために、ペーパーレス化を検討することが推奨されます。

12. 電子取引に対応できない場合の青色申告について
国税庁のホームページを確認すると「直ちに青色申告の承認が取り消されたり、金銭の支出がなかったものを判断されたりするものではありません」と記載されています。
取引が正しく記帳されているかつ、申告にも反映されており、保存すべき取引情報の内容が書面を含む電子データ以外から確認できる場合は問題はないようです。
一方で、原則電子データについては、要件を満たして電子データのまま保存する制度自体は変わっていないため対応が推奨されます。

出典:国税庁ホームページ お問合せの多いご質問(令和3年 11 月) 一問一答【電子取引関係】問 42
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021010-200.pdf

13. 電子帳簿保存法の対応について
電子帳簿保存法への対応についてイメージがついていない方は、次の3項目を順番にチェックしていきましょう。

①国税関係帳簿や決算書類について

(ⅰ)紙で作成している場合
引き続き、紙ベースで作成・保管することは、法律上問題ありません。
電子帳簿等保存は、あくまで電子的に作成した帳簿・書類をデータのまま保存することです。

(ⅱ)コンピューターで作成している場合
印刷して紙ベースで保存するか、電子データで保存する場合は電子帳簿等保存の要件に則った保存が必要です。

②請求書や見積書などの受領について

(ⅰ)紙で受領している場合
引き続き紙で保管することは、法律上問題ありません。
しかし、電子帳簿保存法によって、一定の要件を満たせば紙書類をスキャンして電子データで保存でき、紙原本の保管が不要になっています。

(ⅱ)電子データで受領している場合
電子取引に該当するため、2024年1月1日以降は取引情報を原則データで電子帳簿保存法の要件に則って保存する必要があります。

③請求書や見積書などの送付について
印刷して紙で保存するか、電子データで保存する場合は電子帳簿等保存の要件に則った保存が必要です。

(ⅰ)手書きで作成して、紙で送付している場合
現物を保管するか、写しを電子データで保存する場合はスキャナ保存の要件に則った保存が必要です。

(ⅱ)コンピューターで作成して、紙で送付している場合
現物を保管するか、写しを電子データで保存する場合は電子帳簿等保存の要件に則った保存が必要です。

(ⅲ)コンピューターで作成して、電子データで送付している場合
電子取引に該当するため、2024年1月1日以降は取引情報を原則データで電子帳簿保存法の要件に則って保存する必要があります。

14. 電子帳簿保存法に対応するメリット


①社内のペーパーレス化や電子化の促進、内部統制の強化ができる
紙原本の保管がなくなることで管理業務や物理的な保管スペースが不要になり、紙原本のやりとりで発生した郵送作業が削減されます。

②内部統制の強化になる
内部統制とは、社内の不祥事を防止して業務を適正に行うための社内体制のことですが、例えば、スキャナ保存ではタイムスタンプの付与などでデータの改ざん防止が定められています。単に電子保存をするのではなく、電子帳簿保存法に対応させることで内部統制上のリスクを回避できるため、内部統制の強化が期待できます。

如何でしょうか。
これまで全8回にわたって電子帳簿保存法について解説しました。
本日で電子帳簿保存法については最終回となります。
次回からは、相続税や贈与税の内容について解説していく予定です。

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